傷病手当金の期間は?きれた後に利用できる障害年金とは【社労士が解説!】

傷病手当金とは

傷病手当金とは業務外の病気や怪我が原因で働けなくなった時にお給料の一部(標準報酬日額の3分の2)が支給される制度です。

 

傷病手当金の期間

傷病手当金の期間は支給開始日(療養の為に3日間連続で会社を休んでから4日目)から通算1年6ヵ月となっています。

傷病手当金には期限がありますので傷病が期間内に治らないようであれば別の制度の利用を検討することをお勧めします。

 

傷病手当金の支給条件

傷病手当金の支給条件は以下の通りです。

① 業務外のケガや病気であること

業務に関わらない病気やケガが対象です

② 勤務ができない状態であること

病気やケガでの療養により、勤務ができない状態であることが必要です

③ 連続する3日間の休業を含めて4日以上仕事を休まなければならないこと

病気やケガが理由で3日間以上連続して仕事を休んだとき4日目の休みから支給されます。
この4日間のうち最初の3日間は待機期間とされるため、給付金の算出対象からは除外されます。
なお、最初の3日間(待期)は有給休暇や休日、祝日に該当する日であっても対象としてカウントされ、4日目からは連続した休みである必要はありません。

④ 仕事を休んだ期間の分の給与支払いがないこと

病気やケガで仕事を休んでいる期間に給与の支払いがないことも、傷病手当金が支給される条件です。

 

傷病手当金のもらえる金額

傷病手当金の1日あたりの金額は、以下の計算式で求められます。

支給開始日以前の継続した12ヶ月間の平均給与 ÷ 30日 × 3分の2

例えば平均給与が21万円とした場合には1日に支給される傷病手当金は4620円となり、1か月(30日)13万8600円が支給されます。

 

傷病手当金がきれたら

傷病手当金がきれた場合には「障害年金」を活用しましょう。

障害年金は公的年金に加入している人が病気やケガを原因として、障害により働けなくなったり仕事に制限を受けるような場合に支給される年金です。

実は65歳以上の方が受け取ることができる、老齢年金と同じく国が定めた公的な制度で、
条件を満たせば障害年金は誰でも申請が可能です

以下では障害年金について詳しく解説していきますので、是非ご覧ください。

障害年金の種類

障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があり、初診日に加入している公的年金の種類によって支給される年金が異なります。
障害基礎年金は、初診日に原則国民年金に加入している方がもらえる年金のことです。
自営業者フリーランス無職の方専業主婦や、20歳前に傷病を負った方も障害基礎年金の支給対象に該当します。

一方、障害厚生年金は初診日に厚生年金に加入している方を、支給対象とした年金です。
障害厚生年金は障害基礎年金に比べて支給対象となる障害の範囲が広く、軽度の障害であっても支給される可能性があります

年金の加入状況についてはお近くの年金事務所で確認することができます。

 

障害年金の支給要件

障害年金の受給要件は障害の種類や重さを問わず、障害年金を受給するために満たす必要があります。

受給要件には以下の項目があります。

・初診日要件
・保険料納付要件
・障害状態該当要件

詳しくはこちらをご覧ください。

受給できる金額

障害年金で受給できる金額は以下の通りです。

障害基礎年金の年金額(令和5年4月分から)

1級 993,750円+ 子の加算額
2級 795,000円+ 子の加算額

子の加算額

2人まで:  1人につき228,700円
3人目以降: 1人につき76,200円

子の加算額はその方に生計を維持されている子がいるときに加算されます
なお、子とは18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です。

障害厚生年金の年金額(令和5年4月分から)

1級 (報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(228,700円)〕※
2級 (報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(228,700円)〕※
3級 (報酬比例の年金額) 3級の最低保証額 596,300 円

傷病手当金と障害年金の併給調整

傷病手当金と障害年金は、同時に受け取ることができますが、同時に受け取った場合には「併給調整」と呼ばれる総受給額の減額が行われます。

具体的には障害年金の支給が優先され、傷病手当金が調整(減額)されます。
例えば、傷病手当金の日額が7,000円、障害年金の日額が5,000円の場合には併給調整されて、傷病手当金は2,000円のみ支給されます。

傷病手当金で受け取れる総額から減ることはありませんが、障害年金で受け取れる金額が傷病手当金の日額を上回らない限り、受給額が増えることはありませんので、ご注意ください。

 

障害年金は申請すべき?

併給調整がされてしまうのであれば障害年金を申請する必要はあるのでしょうか?
結論から申しますと「申請すべき」です。

傷病手当は最大でも1年6ヵ月のみの支給となりますが、障害年金は更新される限り永年的に受給が可能になるからです。
障害年金の申請タイミングはいつが良いのかと疑問が生まれると思いますが、詳しい状況についてはケースバイケースとなります。
ただし、障害年金は申請から受給までに4ヵ月~6ヵ月ほどかかります。傷病手当金を受給し終えてから障害年金を申請しては、収入の空白期間が長くなってしまうのです
そのため、障害年金をいつ申請すべきか頭を悩ませる問題だと思います。

当事務所では、申請のタイミングや障害年金についての疑問点についてアドバイスを行う無料相談を承っておりますので、
是非一度、当事務所にお問い合わせください。

最終更新日 8か月 by 大庭雄輝

投稿者プロフィール

大庭 雄輝
大庭 雄輝社会保険労務士
当事務所では兵庫県内神戸・芦屋を中心に障害年金に関する幅広いサポート依頼に対応しております。兵庫県内はもちろんのこと、他府県でも対応させていただきます。当事務所は『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
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