知的障害で障害年金を考えるためのポイント
知的障害は、精神的な発達に遅れがある状態。日常生活においてサポートが必要な場合があります。 障害を申請することで、生活の質を向上させるための支援を受けることができます。この記事では、知的障害で障害年金を受け取るための認定基準、申請方法、専門家に依頼するメリットなどについて詳しく解説します。
知的障害の障害認定基準
知的障害の障害年金申請においては、障害の程度や日常生活への影響が重要なポイントとなっております。
等級の目安
- 1級
知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの - 2級
知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの - 3級
知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの。
日本年金機構の障害認定基準では、知的障害の程度とともに、その障害が日常生活においてどのような影響を与えることが重視されます。日常生活における困難な場面や、生活全般への影響について具体的に伝えることで、申請時に有利になります。
知的障害の初診日
障害年金申請において重要なのが「初診日」です。
原則は、初めて受診した日ですが、知的障害は出生時となります。
一方、後天的な知的障害(例えば、頭部外傷や高熱などが原因で知的障害が発生した場合)では、原因となる傷病で受診した日となります。
先天性の知的障害の場合、特別な証明書を求められることは少なく、出生時が初診日と認められることが一般的です。
知的障害で障害年金をもらうためのポイント
知的障害で障害年金を申請する際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらのポイントを押さえて、申請手続きを行ってスムーズに進めることができます。
-
障害の詳細な記録を残す
障害の進行速度や日常生活での困難を記録しておくことが重要です。例えば、食事や入浴、移動、外出など、支援が必要な場面を具体的に記録しましょう。
-
医師の診断書
診断書には、障害の程度や日常生活への影響をしっかりと記載してもらう必要があります。支援が必要な具体的な場面を詳しく伝えてください。
-
障害年金の申請に必要な書類を整える
障害年金を申請するには、診断書をはじめとする必要な書類が求められます。
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社会生活への影響を強調する
知的障害がどのように日常生活に影響を与えるかを、具体的に説明することが重要です。
申請の手続きの方法
知的障害で障害年金を申請するための手続きは、以下の手順で行います。
-
必要書類を揃える
- 診断書(医師による診断書)
- 受診状況等証明書(後天的な障害の場合)
- 病歴・就労状況等申立書
- 年金手帳や住民票等
-
申請書を提出する
必要な書類を揃えたら、年金事務所または市区町村役場の窓口に申請書を提出します。
-
審査結果を待ちます
日本年金機構による審査結果を待ちます。審査を経て、障害年金の受給資格や等級が決定されます。
専門家に依頼するメリットとデメリット
障害年金の申請は複雑で、知的障害の場合には具体的な生活状況の証明や障害の程度を正確に伝える必要があります。専門家(社会保険労務士)に依頼することで、手続きをスムーズに進めることができます。
専門家に依頼するメリット
- 書類作成が正確で必要な箇所の確認をし、不備などで時間がかかりにくくなります。
- 診断書が正確に作成されるように確認。
- 申請の進捗を専門家が代行してくれるので、安心してお任せいただけます。
専門家に依頼するデメリット
- 手続きに費用がかかる。
- 手続き内容を把握が難しい。
自分で申請するメリットとデメリット
自分で申請するメリット
- 申請にかかる費用を節約できる。
- 申請手続きを自分でコントロールできる。
自分で申請するデメリット
- 申請書類の不備やミスがあること、審査に時間がかかることがある。
- 必要な書類が分からなくなり、手続きに不安が残ることがある。
- 審査結果に納得できなかった場合の再申請や不服申請には時間と労力がかかります。
まとめ
知的障害の障害年金申請をする際には、障害の程度や日常生活への影響を広範囲に伝えることが重要です。また、申請を整理し、必要な手続きを正確に進めるためには、専門家に依頼することも一つの方法です。申請を自分で行う場合は、しっかりと書類や証明書を準備し、手続きを進めていきましょう。
最終更新日 2か月 by 大庭雄輝
投稿者プロフィール

- 社会保険労務士
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当事務所では兵庫県内神戸・芦屋を中心に障害年金に関する幅広いサポート依頼に対応しております。兵庫県内はもちろんのこと、他府県でも対応させていただきます。当事務所は『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
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