【社労士が解説!】心疾患で障害年金を受給する際のポイント
心疾患による障害
心疾患による障害の対象となる傷病として、弁膜症、心筋疾患、虚血性心疾患、慢性心包炎、難治性不整脈、ブルガタ症候群、リウマチ性心包炎、大動脈疾患、先天性心疾患、慢性心不全、拡張型心筋症、重症心不全、冠状動脈硬化症、狭心症、大動脈弁狭窄症、心筋梗塞、慢性虚血性心疾患、僧帽弁閉鎖不全症、悪性高血圧、高血圧性心疾患などがあります。
ペースメーカーを入れた場合でも障害年金は請求できます
心臓ペースメーカー、ICD、人工弁を装着した場合、障害年金の対象となります。この場合、原則3級となります。
装着した日が障害認定日
ペースメーカー、ICD、人工弁を装着した場合、それらを装着した日が初診日から1年6か月を経過する前であれば、装着した日・施術日が障害認定日となります。この場合は、初診日から1年6か月が経過していなくても請求ができます。
心疾患による障害の認定基準
等級 | 障害の状態 |
1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 | 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
心疾患による障害は、弁疾患、心筋疾患、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性疾患に区分され、疾患別に各等級に該当すると認められるものを一部例示されています。
心疾患による障害の程度(一般状態区分表)
区分 | 一般状態 |
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
弁疾患
程度 | 障害の状態 |
1級 | 病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA 心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | 1.人工弁を装着術後、6 ヶ月以上経過しているが、なお病状をあらわす臨床所見が5 つ以上、かつ、異常検査所見が1 つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの 2.異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち2 つ以上の所見、かつ、病状をあらわす臨床所見が5 つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの |
3級 | 1.人工弁を装着したもの 2.異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち1 つ以上の所見、かつ、病状をあらわす臨床所見が2 つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの |
虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)
程度 | 障害の状態 |
1級 | 病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全あるいは狭心症状を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | 異常検査所見が2 つ以上、かつ、軽労作で心不全あるいは狭心症などの症状をあらわし、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの |
3級 | 異常検査所見が1 つ以上、かつ、心不全あるいは狭心症などの症状が1 つ以上あるもので、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの |
難治性不整脈
程度 | 障害の状態 |
1級 | 病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全の症状(NYHA 心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | 1.異常検査所見のEがあり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの 2.異常検査所見のA、B、C、D、F、Gのうち2つ以上の所見及び病状をあらわす臨床所見が5 つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの |
3級 | 1.ペースメーカー、ICDを装着したもの 2.異常検査所見のA、B、C、D、F、Gのうち1 つ以上の所見及び病状をあらわす臨床所見が1 つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの |
大動脈疾患
程度 | 障害の状態 |
3級 | 1.胸部大動脈解離(Stanford 分類A型・B型)や胸部大動脈瘤により、人工血管を挿入し、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの 2.胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤に、難治性の高血圧を合併したもの |
先天性心疾患
程度 | 障害の状態 |
1級 | 病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全の症状(NYHA 心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | 1.異常検査所見が2 つ以上及び病状をあらわす臨床所見が5 つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの 2.Eisenmenger 化(手術不可能な逆流状況が発生)を起こしているもので、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの |
3級 | 1.異常検査所見が2 つ以上及び病状をあらわす臨床所見が5 つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの 2.Eisenmenger 化(手術不可能な逆流状況が発生)を起こしているもので、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの |
最終更新日 8か月 by 大庭雄輝
投稿者プロフィール
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当事務所では兵庫県内神戸・芦屋を中心に障害年金に関する幅広いサポート依頼に対応しております。兵庫県内はもちろんのこと、他府県でも対応させていただきます。当事務所は『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
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