【社労士が解説!】メニエール病で障害年金を受給する際のポイント

病気や怪我での生活の不安、
それをサポートする「障害年金」とは?

 

病気や怪我の障害で仕事が出来ず、収入が得られない。(寝たきり状態や外出が出来ない等)

病気や怪我の障害で仕事に制限がかかってしまいまとまった収入が得られない。

といった障害が発生することがあります。

そんな時には「障害年金」を利用しましょう!

障害年金とはいわゆる年金ですが、一般的に65歳以上で支給される年金とは少し違いがあります。

「老齢年金」
…原則65歳以上で加入期間等に応じて年金額が計算されもらえる年金

「障害年金」
…原則20歳~64歳の方が対象で、病気や怪我で障害を負った方がもらえる年金

障害年金には2種類(※1)あり、初診日(※2)により支給される年金が変わります。
※1 国民年金=基礎障害年金、厚生年金=障害厚生年金
※2 初診日とは体調が悪くなったときに受診をした日

このように「障害年金」を取得することで年金として国からお金が支給されます。

ですが、障害の状況により支給額や支給認定は異なりますので注意は必要です。

では、自分が障害年金の支給要項を満たしているのか確認をしていきましょう。

メニエール病とは

メニエール病は内耳を満たしている内リンパ液が過剰にたまる状態である、「内耳リンパ水腫」が原因で発症します。

メニエール病を発症する要因としては、疲れ・ストレス・睡眠不足等が要因としてあるとされており、発症要因の影響を受けやすい30〜50歳代がメニエール病を発症する年代として多くなっています。

メニエール病発症後、1~2年程度の治療で軽快する場合、数年以上症状が続く場合があります。

 激しいめまい、難聴、耳鳴り、吐き気、耳の閉塞感と圧迫感の症状が繰り返し出現する疾患です。

症状が進行している場合は日常生活に支障が出る状態が続きます。

 

メニエール病の認定基準

聴覚の障害

1級        両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの

2級        両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの

      身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

 

3級        両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの

障害手当金          一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの

聴覚の障害による障害の程度は、純音による聴力レベル値(純音聴力レベル値)及び語音による聴力検査値(語音明瞭度)により認定します。

 

「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が 著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは?

 

両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のものをいいます。

 

「両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの」とは?

 

ア 両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上のもの

イ 両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの

 

をいいます。

 

「一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの」とは?

 

一耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上のものをいいます。

 

 

平衡機能の障害

 

 

メニエール病の障害等級

2級        平衡機能に著しい障害を有するもの

3級        神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを 必要とする程度の障害を残すもの

障害手当金          神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

 

四肢体幹に器質的異常がない場合に、 閉眼で起立・立位保持が不能又は開眼で直線を歩行中に10 メートル以内に転倒あるいは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない程度のものをいいます。

 

中等度の平衡機能の障害のために、労働能力が明らかに半減しているものは、3級と認定します。

中等度の平衡機能の障害とは、閉眼で起立・立位保持が不安定で、開眼で直線を10 メートル歩いたとき、多少転倒しそうになったりよろめいたりするがどうにか歩き通 す程度のものをいいます。

 

めまいの自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らか な異常所見が認められ、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを 必要とする程度のものは、併合判定参考表の8号と認定します。

 

 

メニエール病で障害年金を受給するポイント

 メニエール病の場合「平衡機能の障害」と「聴覚の障害」の二つを組み合わせて申請することで上位等級と判断される「併合認定」をする事で支給確率を上げることが出来ます。

 

障害年金の受給が決定したら

・障害年金の初回支給日

申請後、支給が認められた場合は、日本年金機構から年金証書が送られてきます。

年金証書に記載されている「裁定日」が月の前半だった場合には翌月15日に、「裁定日」が月の紅斑だった場合には翌々月の15日に初回の障害年金が支給される

※例:初回支給月が3月で支払開始月が同じ年の1月の場合は、3月に支払われるのは1月分のみとなり、4月から偶数月の支払から定期支払の2か月分となります。

 

・振込先

支払は、請求手続きをしたときに届け出ている本人名義の金融機関の口座に振り込まれます。

 

・2回目以降の障害年金の支給日

2回目以降は、偶数月の15日に、2か月分の障害年金がまとめて支給されます。

 

障害年金の手続きの流れ

  1. 初診日を確定する。
  2. 保険料の納付要件を満たしているか確認する。
  3. 受診状況等証明書を取得する。
  4. 医師に診断書を作成してもらう。
  5. 病歴・就労状況等申立書を作成する。
  6. 申請に必要な書類(戸籍謄本や通帳のコピーなど)をそろえる。
  7. 年金事務所か市区町村役場(または役所)に提出する。

※4と5は順番を前後し、医師の診断書の元にしてもらうことも可。

 

医師へ診断書を依頼するときは書いてもらう症状により等級が低いか不支給となる場合もあります。
病歴・就労状況等申立書を事前に書いて渡すことで医師へも障害の状況が伝わる為、スムーズに申請を進めることが出来ます。

 

障害年金の受け取る額(目安)

初診日に加入している年金で受け取る金額は変わってきます。

障害基礎年金は1級、2級

障害厚生年金は1級、2級、3級

 

障害厚生年金は2級以上であれば障害基礎年金を同等級分併給されます。

等級 障害基礎年金額 子の加算額   障害厚生年金 配偶者の加給年金
1級 99万3750円

2人まで

一人につき

22万8700円

報酬比例の年金額×1.25 22万8700円
2級 79万5000円 報酬比例の年金額 22万8700円
3級 支給なし

3人から

7万6200円

報酬比例の年金額

最低保障額

59万6300円

支給なし

※等級の詳細については上部記載の認定基準参照

※障害基礎年金は子の加算額がプラス支給あり

※障害厚生年金の場合は配偶者の加給年金と子の加算額の併給可能

障害年金の手続きに必要な書類

書類名 確認事項

基礎年金番号通知書

年金手帳等

加入期間の確認の為

戸籍謄本

戸籍抄本

ご本人の生年月日を明らかにできる書類

単身者の方で日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は、左記の戸籍謄本等の添付が原則不要となります。マイナンバーが登録されていない方は、年金証書にマイナンバーを記入することで、左記の戸籍謄本等の添付が原則不要となります。

・マイナンバーの登録状況については、インターネットを通じてご自身の年金の情報を手軽に確認できる「ねんきんネット」で確認することが出来ます。

・ただし、「年金請求書」を共済組合等に提出される場合には、別途、住民票等の添付書類が必要になる場合があります。

医師の診断書

障害認定日より3か月以内の現症のもの。

障害認定日と年金請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書(年金請求日前3か月以内の現症のもの)も併せて必要となります。

また、診断書に併せて、レントゲンフィルムや心電図のコピーの提出が必要な場合があります。

受診状況等証明書 初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合、初診日の確認の為
病歴・就労状況等証明書 障害状態を確認するための補足資料
受取先金融機関の通帳等

カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号を記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカード(コピーも可)等

・請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要です。

・公金受取口座を利用する方は、請求書の「金融機関の証明」欄の証明および受取先金融機関の通帳等のコピーの添付は不要です。

なお、公金受取口座の登録口座を変更したとしても、年金の受取口座は変更されませんので、年金受取口座の変更を希望される場合は、「年金受給権者 受取期間変更届」の届出が必要となります。

・インターネット専業銀行での年金の受け取りについては、年金Q&A「インターネット専業銀行で年金の受け取りはできますか。」をご参照ください。

 

などが必要となります。

(場合により必要な書類は増えることがあります)

 

障害年金は要項を満たせば、誰でも申請することが可能です。
申請し支給されることが決まれば年間で最低でも約60万円のお金を受け取る事ができ、生活の支えになるかと思います。
ご自分でも障害年金を申請することは可能ですが、もしご不安な点等ございましたら当事務所の無料相談をご利用ください。

 

 

最終更新日 7か月 by 大庭雄輝

投稿者プロフィール

大庭 雄輝
大庭 雄輝社会保険労務士
当事務所では兵庫県内神戸・芦屋を中心に障害年金に関する幅広いサポート依頼に対応しております。兵庫県内はもちろんのこと、他府県でも対応させていただきます。当事務所は『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
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