軽度知的障害でも障害年金は受給できるの? 認定基準や申請方法を社労士が解説!
障害年金とは?
障害年金とは、病気や障害によって日常生活や就労に継続的な支障がある方に支給される、公的年金制度です。
知的障害のある方も対象となり、通常は「障害基礎年金」の1級または2級で審査されます。軽度知的障害であっても、生活や社会参加に制限がある場合には、申請・受給の可能性があります。
日本年金機構の認定基準(知的障害の場合)
障害年金の審査は、日本年金機構の「精神・知的障害に係る等級判定ガイドライン」に基づいて行われます。
審査の主な要素
障害等級は、以下の2つの指標と総合的な評価から判断されます。
日常生活能力の程度(1〜5段階)
診断書において、日常生活の自立度を次の5段階で評価します。
程度 |
内容 |
1 |
社会生活はほぼ自立できる |
2 |
家庭内は自立しているが、社会生活では援助が必要 |
3 |
家庭内の生活に一部援助が必要 |
4 |
身の回りのことにも多くの援助が必要 |
5 |
常時の援助が必要 |
日常生活能力の判定(7項目×4段階)
以下の7項目ごとに、1(自立)〜4(できない)で評価され、平均点が算出されます。
- 食事
- 身の回りの清潔保持
- 金銭管理
- 服薬管理
- 対人関係
- 危機対応(安全)
- 社会性(買い物・交通など)
等級の目安
2つの指標から導かれる「目安等級」をもとに、次のように等級が検討されます。
| 結果の例 | 判定平均3.2 × 程度3 → 2級が目安 |
最終判断は「総合評価」
目安等級だけでなく、以下の情報も加味して等級が決まります。
- 現在の病状や治療の状況
- 家庭や地域福祉による支援体制
- 就労状況(職場での配慮の有無)など
軽度知的障害でも障害年金はもらえるのか
「軽度」=「年金はもらえない」と思われがちですが、そうとは限りません。
知的障害が軽度であっても、日常生活で支援が必要な状況が明確に示されれば、障害基礎年金2級の支給対象となる可能性は十分にあります。
重要なのは、診断名よりも「生活への影響」です。
つまり「どの程度、日常生活や社会生活に困難があるのか」を具体的に示すことがカギとなります。
障害等級の概要(知的障害の場合)
等級 |
状態の目安 |
1級 |
日常生活のほとんどが自力でできず、常時の介助が必要な場合 |
2級 |
日常生活に著しい制限があり、就労が困難な場合 |
※ 知的障害の場合、1級・2級のいずれかが対象となります。
年金申請の手続きの流れ
障害年金の申請は、以下のような手順で進められます。
【1】初診日の確認
知的障害は原則として生まれつき(先天性)の障害とされるため、初診日は出生時とみなされます。
【2】障害認定日の確認
知的障害の場合、原則として出生時が初診日とされるため、障害認定日は「20歳の誕生日前日」となります(※20歳前傷病)。
【3】診断書の取得
「精神の障害用診断書」を、精神科や発達外来などの主治医に記載してもらいます。
生活面の困難や支援状況が具体的に記載されていることが重要です。
【4】病歴・就労状況等申立書の作成
家庭生活、学校生活、就労状況など、日常生活での困難や支援の必要性について詳細に記載する書類です。
【5】年金事務所に提出
必要書類を年金事務所または年金相談センターに提出し、申請手続きを行います。
【6】審査・等級決定
日本年金機構による総合的な審査を経て、障害等級(1級または2級)と支給の可否が決定されます。
当事務所ができること
軽度知的障害に関する障害年金申請は、経験豊富な専門家のサポートが効果的です。
当事務所では、以下のようなサポートをご提供しています。
✅ 初診日・認定日の整理
✅ 日常生活状況を正確に反映した申立書作成
✅ 年金事務所への提出・フォロー
✅ 不支給となった場合の再請求・審査請求の支援
ご本人・ご家族には一部ご協力をお願いする場面もありますが、最後まで丁寧にご案内します。
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「軽度だから」とあきらめず、一歩踏み出してみてください
軽度知的障害でも、生活に支障があれば障害年金を受給できる可能性があります。
制度を正しく理解し、しっかりと準備をすれば、支援を受けられる道は開かれます。
お気軽に、当事務所までご相談ください。
最終更新日 2日 by 大庭雄輝
投稿者プロフィール

- 社会保険労務士
-
当事務所では兵庫県内神戸・芦屋を中心に障害年金に関する幅広いサポート依頼に対応しております。兵庫県内はもちろんのこと、他府県でも対応させていただきます。当事務所は『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
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